テロリズムの利得

小規模テロがまたイギリスで発生。今回のは、便乗テロとでも言うべきか?
今回のロンドンのテロは、負傷者1名。しかも、その負傷者が実行犯の一人ではないかと言われているほどの、物凄くタチの悪いイタズラに毛が生えたようなテロのようだ。「テロは恐怖を与えるのが目的なわけだから、今回のテロも効果的なものだ」なんて論じるものも少なくないだろうか。
組織化されているテロリストってのは、大抵何人かのパトロンを抱えている。もちろん、資金調達班なんてのがいて、普通に労働して仕送りしてる連中もいるだろうが、それだけでは高性能な武器の所持や、なんだかわからない諜報活動に人をさくことはできない。結局、金持ちの道楽でやってる者や、自分の信じる宗教の極解から生じる責務から資金を提供する人々、自己の利益につなげる為に金を渡したりするパトロンは必要だ。
テロリストの訓練風景や、人質処刑などの撮影は、自分たちの危険性を知らしめるということと、新規顧客やお得意様への宣伝活動および進捗状況報告の側面も持っている。純粋に恐怖を与える為だけならば、相手がしばらく犯人探しに躍起になってパニックになっている状態を放置してても良さそうなものだが、彼らは律儀に自分たちの犯行であることを高らかに宣言する。その事は逆に、「おのれ!やっぱアルカイダか!」なんて恐怖よりテロリストへの憎悪を高めるだけだったりするのだ。
極論になるが資金獲得の為に、違う組織が犯行を行ってもアルカイダが声明文を発表して横取りしてたり,なにか政治的な事象で起こしたものであってもアルカイダのせいにしたのに反論されなかったり,違う組織がアルカイダのせいにして反論しなかったり,なんてことはあるかもしれない。
「テロリストはこんなことをして何の得があるんだ?」なんて声が上がるが、やっぱり資金が発生するからだ。そして、「テロは恐怖を植えつけるものです!皆さん冷静に戦いましょう!」なんて叫ぶお偉いさんも得をしているってことに気付けてますか?
凄く嫌な言い方をすると、【911】でも【スペイン列車爆破テロ】でも【ロンドン多発テロ】でも一番目の見える形で得をしたのは、それぞれの被害国の現トップたちなんですねえ・・・。もちろん、スペインは選挙期間中に起きて、政権交代で新しい大統領が誕生した。で、スペインの本音を言えばイラク撤退したい、っていうのも見事に成し得た。
悪いが、ロンドンのテロは、支持率が低空飛行を続けるブレア首相への神風ともとれる・・・。支持率高騰だってね。サミットで異例の反テロを叫んで、そりゃ勇ましいさね。

まあ、僕も「テロリズムと言う恐怖の圧力は、逆に結束を強めちゃうんで、やめたほうがいいっすよ!」って便乗しておきましょう。オリンピック開催の速報を待つ広場で、もし4人が爆発してたら?そりゃあ、オリンピックもなし。ブレアの支持率もどうだったか?今回のパトロン誰さ?なんて話は、なしってことでね・・・。