たまには絶賛

「悪口ばっか言ってるのって、楽な生き方ジャン?」という出来の悪い漫画みたいなセリフが、コンビニで僕の耳に舞い込んできた。金髪・ロンゲ・ピアス3つつけた、若造だった・・・。
いやームカつくんで、何か褒めてみましょうか?アフィリエイトとかいうので、金がもらえるくらいに。(ヘルプがダルイので、アフィリエイトの内容はいまいち不明)

この映画は、一言で言うと、目まぐるしいバイオレスアクションブラックコメディものである。まあ、だから、一言じゃ言えない物語だ・・・。
ブラッド・ピットがジャケット真ん中だが、ブラピ好きを狙った作品ではない。ブラピの役どころは、イギリスのパイキー(流浪民)で素手最強のキチガイキャラだから、出演時間はさほどでもない。こんなのが話の中心に居座ってたりしたら、物語なんて進まないからね。
この物語は、86カラットもするという馬鹿でかいダイヤを盗んだ強盗団が、ロンドンで売りさばこうとするとこから始まる。通常のならば、この強盗団たちのダイヤを盗んだ経緯やその人間性などに触れていくところだろうが、この映画は普通の進行はしない。せいぜいその内の一人が、負けた分が払えなくて何本も指を詰められているのに、必ずやってしまう重度のギャンブル中毒者である、ってぐらいがダイヤ強奪の実行犯の扱いである。
なにせ、資金繰りに困っている賭けボクシングのプロモーター,銃弾を歯で受けた殺し屋,銃弾を受けたのに死ななかったロシア人,豚喰いと恐れられるロンドンマフィアのボス,質屋なのに強盗の持つダイヤ入りのバッグを奪わされる間抜けな黒人2人組,そして素手最強のパイキーとその仲間たち、なんてキャラクター達の紹介が控えている。
既に前置きの長いサブタイトルのついている濃くて間抜けなキャラクター達を、監督・脚本を務めたガイ・リッチーが圧倒的なスピード感とブラックユーモアでまとめ上げて行く様は、一見の価値があると言って置こう。もちろん、映画を見てる最中に何度もボーっと気を抜いてしまう人や、暴力を心底憎んで止まない人にはお勧めのしようがないが。
また、アメリカ映画ながらロンドンを物語の拠点としたのが好影響を与えたと思う。お決まりの長ったらしいカーチェイスや、マフィア同士のドラッグのトラブルによるドンパチは繰り広げられないからだ。それと、イギリスのパイキーなどと言うおかしな連中の生活も、若干ながら垣間見ることができる。
そして、多くのレビューでも書かれているだろうが、ブラッド・ピットの演技はこの作品に限っては素晴らしい。トレインスポッティングの喧嘩中毒男ロバート・カーライルとは言い過ぎかも知れないが、手のつけられないタチワルキャラぶりはかなりのハマリ役かと。