やり過ぎて死ぬのも、ゲーム脳?

10日早朝に、『韓国で、ネットゲームを約50時間続けた20代後半の男性が、心臓発作で死亡』という記事が舞い込んできた。
いやー、もうご苦労様です。お休みなさいませ。って感じですな・・・。50時間ごときで死ぬなよ、とも言ってやりたい気がするが、『ネットゲームで死亡』ってキーワードはメディアにとって、大そうなご馳走でしょうね。
本日深夜帯でも、ゲームの悪影響について調査した教授方(慶應と、お茶ノ水だったかな?)が、わかりやすくゲームの問題についてご教授してくれた。テレビの画面左上には、おどろおどろしい文字で『残虐ゲームの悪影響について』などとテロップが表示され、教授のインタビューの前に用意された街頭インタビューでは、否定的な街の言葉が繰り返された。
ところが、両教授の揚げた【ゲームをやることで攻撃性が増してしまう】問題は、保護者が最もやらせたくない残虐ゲームよりも、悪を滅ぼすといった凄く正当化されたゲームの方が危険だ、との意見が返ってきた。そして、画面には、悪と書かれたショッカーのような黒タイツの悪者の絵と、勇者の格好をした少年が戦ってる絵が表示される。補足説明はされなかったが、それって【ドラクエ】じゃん・・・。ちなみに、友達への不信感も高まるらしいよ(教授いわく)。
まあ、「アレ買ってきて」とか言われて、モンスターがウジャウジャいる危険な世界に放り出されたり、「勇者様!あいつが悪いんで倒してください」とか言われて、命がけで恐ろしいバケモノ達と戦わなきゃいけない【ドラクエ】もある意味、残虐ゲームだよね?銅の剣を買う為に、スライム程度のザコを100匹くらい殺したりするしさ。
冒頭では、『残虐ゲームの悪影響について』なんてテロップは出していたものの、意外とゲームに対して理解のある教授&番組構成であったようには思えた。ゲームという遊びがあまりにも生活に浸透しているので、子供の社会においては引き離すことは出来ない。とか、母親の方が娘とゲームを一緒にすることによって、理解を深めているケースがある。などの紹介は、珍しく好意的だった。
まあ、スポンサーに、マイクロソフトなりソニーなどが入っているのかもしれないが、【ゲーム脳】なんていうイメージ造語で、片付けなかったのは評価できた。『ゲームに熱中しすぎて現実との区別が曖昧に』それすなわち【ゲーム脳】ってのはさー、ゲーム以前にその人の脳に問題ありだよね。現実と妄想の区別がつかなくなったんなら、【ゲーム脳】っていうか、早く精神病院に行ってもらいたいよ。
自殺サイト殺人事件の容疑者は、『江戸川乱歩の小説に影響を受けた』などと供述して【ミステリー脳】などと叩かれているようだ。でも、【ゲーム脳】とやらを恐れている世代は、乱歩小説には理解があるから問題にはしないだろう。困ったモンだよね、【時代劇脳】とか【サスペンス脳】どもは。現実と妄想の区別がつかなくなったら『片っ端から斬り捨てる』もしくは『つい、鈍器で後頭部を殴りつけて殺す』なんてことを、決まった時間帯にやってのけるのさ。