絨毯爆撃とRTS

本日は、終戦記念日でしたね。
そういえば、小泉首相は、靖国参拝に行かなかったそうな。防衛庁長官の父親を持つ小泉首相は、当然、軍閥寄りの右翼傾向の強い地盤を引き継いでいるはずなので、靖国参拝に行かなければならない立場であろう。だが、選挙前だから自制したってわけか。
さて、政権を握るのが自民党でも民主党でも、僕は構わないので選挙前パフォーマンスは置いておこう。そんなことより、今日は終戦記念日ということで、戦争が起こるメカニズムをうまくデフォルメしているゲームを紹介してみます。

Microsoft Age of Empires 2 The Age of Kings

Microsoft Age of Empires 2 The Age of Kings

Ⅰがなかったので、Ⅱの写真になってしまった・・・。まあいいや、この『age of empires』は、2003年3月までにシリーズ通算1100万本も売れまくった大人気ソフトである。食料・木材・石・金といった資源を効率的に、且つ大量に取得・収集することで、プレイする民族のテクノロジーを進歩させ、他の民族を滅ぼすゲームである。
ドイツのボードゲームカタンの開拓者たち』をより複雑に、そして血生臭く変貌させPCゲームとして世に送り出した『age of empires』は、当然日本でも大ヒットを飛ばした。実際、良く出来ていて、しかも、ほぼ完成されていた。RTSと称されるジャンルのゲームの中で、『age of empires』のような開拓系もしくは戦争系ゲームは、少しだけプラスαの要素を付け足すことでしか、この手のゲームを進化させることはできていない。
なにせ、この手のゲームにとってもっとも大切なのは、資源の効率的取得である。つまり内政のシステムを劇的に進歩させない限り、ひとつ上のゲームへとは昇華させる事はできないだろう。
と、ゲームについて熱く語り始めてしまうところだったが、この手のゲームは限られた資源の効率的取得を最重要課題としている。そして、自国の資源収集システムの規模が大きくなればなるほど、資源枯渇が早くなることを意味する。結果、近辺の資源を取り付くしたプレイヤーは、他のプレイヤーが収集しているかもしれない資源を確保しなければならない。もし、他のプレイヤーが収集してたり、こちらの資源を奪いに来たら、様々な兵士や兵器を使って、争いが勃発することになる。
このゲーム、もしくは現実において、他の民族の国力を削ぐのに最も効果的な手法として、都市・首都攻撃があげられる。首都や周辺都市に何の損害も与えていなければ、延々と兵士や兵器が生産され、状況を打開することが出来ない。だから、街を破壊し、住民を虐殺する。とかく、『age of empires』では、他民族の住民の殺害が重要である。殺せば殺すほど、相手の資源確保が遅れる。住民を生産することも出来るが、その時間のロスは兵士のそれとは比べ物にならない。
age of empiresⅡ』は投石兵〜火縄銃兵ぐらいまでしか登場しないのだが、後に発売されていくこの手のゲームには、戦車・火炎放射器兵・爆撃機といった趣味の悪い殺戮兵器が盛り込まれていくことになる。そして、コンピュータとの小康状態が打破できなければ、【核ミサイル】が何発も飛び交う結末が待っている・・・。
結局、現実の世界でも権益や資源の奪い合いは、戦争の引き金になりやすい。人間の欲望が、というより、そういうシステムにおける生活を我々が築いているからなんだと思う。人のために国や会社を作ったのに、いつの間にか、【お国の為】【会社の為】にいろんなものを犠牲にすべき世の中が出来上がってしまっている。もちろん、それを変えるだけのアイデアも権力もないけどさ。
そういや、昔のアステカかインカだか忘れたけど、戦争は鬼ごっこのようなモノなんだったってね。負けて捕まった方のリーダーだけは、殺されるらしいけど、それでおしまいなんだって。優れたシステムだよ。絨毯爆撃もパトリオットも核爆弾も必要ない。一人亡くなったリーダーも、負けたほうの国では英雄に他ならないからね。