題材が、ダメな方の勝ち

北朝鮮の金さんが、「核の平和利用維持」を発言しているそうだ。きっと、映画:アルマゲドンさながら、隕石に穴を掘って、そこに核やらテポドンをぶつけるんだよ。もちろん、エアロ・スミスの 『I Don't Want to Miss a Thing』を【喜び組】が日本人も大好き【天才幼女】の木琴演奏に合わせて歌います。
サビの部分は「Don't wanna 将軍さぁま〜!将軍様ぁ fall asleep, 将軍様ぁ miss you baby, And I don't wanna 将軍さぁま〜! 隕石に くくりぃ つけっ ろぉ〜♪ メガネェ 叩きぃ 割るぞぉーぅ♪ バイアグラァ 飲んでるぅ のお〜♪ ネズミィのぉ ペニスゥ オゥ 食べぇてるぅ! 」とかなんとか朝鮮語で歌って、処刑ハムニダ。

感染 プレミアム・エディション [DVD]

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予言 プレミアム・エディション [DVD]

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DVDのジャケットは怖いな・・・。この『感染・予言』は、去年の10/2の公開前に、ハリウッド・リメイク化が決まり、話題になったホラー映画だ。一部では、僕が試験をサボったため、朝早くから観に行ったとか、周りがあんまりうるさいんで怒鳴りそうになったが、電気がついたら全部子供だったんで映画よりそっちの方が肝を冷やした、なんて噂もあるが、そんなことはどーでもいい。
とにかく、『感染』に関しては題材が良かったので、映画館まで足を運んだ。恐怖新聞なんてのが元ネタの、『予言』については何の期待も寄せていなかった。実際、ハリウッドのリメイクも『感染』の主演がトム・ハンクスジョニー・デップといった大物俳優に決まるかもしれない、などの噂から大作を匂わせる作品であった。なにせ、経営破綻に陥ったにも拘わらず、患者が溢れ返る病院に、『恐怖』という名のウイルスが医師や看護婦に、続々と感染していく。「『恐怖』そのものが病原菌だが、人々は恐怖を加速していく状況に置かれているのだ」ってなことを、想像させてくれた。
でも、内容はダメダメ。出演者は頑張ってると思うけど、恐怖の根源がありきたり。また、【グロテスクな何か】を目にしている医師たちが、「オウェ」などともどすシーンがあるものの、肝心な【グロテスクな何か】は溶けていく・・・。オチも大したことがなく消化不良気味。しかも、【怖い=痛い】という嫌悪感系の恐怖を煽るだけなので、もちろん女性にはお勧めできない。注射器,煮沸器,縫合針、といった小道具が主力なので、ホント痛いだけです。
で、『予言』だが、監督:鶴田法男(『ほんとにあった怖い話』の監督) 原作:『恐怖新聞』(つのだじろう)といった、「何の期待もしてねーよ」と呟きたくなるほどの制作陣であった。「『めちゃイケ』などにもパロディ化されてる『恐怖新聞』なんて、どうやったホラーに出来るんだよ」とか「ダメ監督と古臭いホラーマンガを足して2で割くらいだったら、楳図かずおの『ヘビ女』を一人で見てるほうがよっぽど怖いわ!」などと、ほざいていた。すみませんでした、鶴田法男監督・・・。あんた、いい監督だよ。
「本当に恐ろしいものは、見せてしまわない」という引っ張り系の恐怖表現も良かったが、『恐怖新聞』をファミリードラマに仕立て上げてしまった所が、まず秀逸だった。ホラーマンガと言えば、主人公は、少年少女と相場決まっている。しかし、大人も怖がれるものにするのは、難解だ。なにせ、子供は物置の暗闇ですら恐ろしいのだから。
『予言』の主人公は、三上博が演じる一家の父である里見。田舎から車で帰宅する途中、里見が電話ボックスに寄り、そこで娘の死亡記事を発見。妻がボックスに寄って来る所で、娘の残されたマイカーがトラックに撥ねられ炎上する。「ここに新聞があったんだよ。載ってたのに、俺が殺したようなもんなんだよ」現場でパニックになる里見は、その後も自分を責め、離婚&助教授→高校教師と転落。新聞を見たばっかりに、どんどん転落して、さらに嫌な思いをし続ける。
まあ、だんだん観客が、里見の視点で映画を体感させられていくのだ。『感染』と違って、一人称的に進み、観客の恐怖も里見にとって恐ろしいことに代わる。ある夜、「お父さん」なんてか細い声で、くすんだヌイグルミを抱えた娘が表に立っている。近づいて、ヌイグルミを降ろすと、火傷だらけの娘の顔が・・・。だが里見は「助けてくれー」とか「うわー」とか叫んで、娘を払ったり逃げたりはしない。「何ってことだ・・・」と己の運命を呪いながら、その場で涙を流す。あくまで、父という立場でのリアクション。そして、父としての恐怖に対峙させられて行く事になる映画だ。
純正ホラーとは言い難くても、『感染』みたいに痛いだけホラーっつーかスプラッタでしょそれ?って映画よりは、断然良い出来に仕上がっています。