毎回のように、バラされる住人

「ジャンプを欠かさず読んでる」なんて子供っぽい話を恥ずかしげもなく書いておきながら、ジャンプ系のコミックの話を未だ書いていない。だって、恥ずかしいでしょ?いい大人が、なんか軽くキモイし。
きっと、他の人のブログで、「大量オタ。これがぶぁぁぁぁあっているの。恐い!きもい!」などと写真付きで記事を掲載されるよね?どこぞのホットドックチェーン企業に詫びられても困るしさ。でも、『コミックマーケット』行ってる奴は、そりゃ激オタクでキモイでしょう。「僕たちは、普通でキモくないんです!」って言われたら「まあ、言論の自由ですから言うのは自由です。でも、キモいです。具体的に言うと、その動きとか、ロリコン嗜好が多いのがキモイです。あとメガネの触り方とか、しゃべり方とか、焦点が合ってないところとかetc,etc」。うーん、ただの悪口になるな・・・。まあ、行き過ぎたマンガオタクが変わった同人誌などを発行してたりもするんだろうが、大半が同人エロ本とか買って、「萌える」「萌えない」って論議してるんでしょうねえ。

無限の住人(1) (アフタヌーンKC)

無限の住人(1) (アフタヌーンKC)

月刊アフタヌーンで連載中の『無限の住人』の作者:沙村広明だが、『コミックマーケット』でコピー誌などを発行していたらしい。女装をしたり、今どき吉永小百合のファンだったりするところは、オタクというより「変人か?」と思ってしまうところではあるが、沙村氏の絵は凄まじくうまい。
美大や芸大出身の漫画家は結構いるが、プロとして一作目の漫画が『無限の住人』だというのだから、同じ多摩美術大学幸村誠と比べても、沙村広明の絵のセンスには驚かされる。
この『無限の住人』は、妹を死に追いやってしまう原因を作った【100人斬り】の卍という男が、謎の老婆に不老不死にされてしまい、妹と同い歳くらいの女の仇討ちに協力する。という話である。正直、ストーリーは、あんまり面白くない。【100人斬り】は、不老不死になる前にこなした伝説にも拘らず、ヒロインの仇側の刺客一人にさえ、毎回のように体をバラされてしまう。不死と言っても、痛みがなくなるわけでもなく、首を斬られたら死んでしまうらしいのに、不注意で刻まれたり罠にかかる。
まあ、それでも14・5巻辺りから幕府が絡んできて、ストーリーも面白くなるのだが、引っ張りまくって話が進まない・・・。それでも、絵はうまくなり続けてるので、買わずにいられない。
さすがに、1巻・2巻などに目を通すと、荒さが目立つものの、錦絵を挿入したり、「墨で書いてんのか?」と思わせるような、奇抜な風景描写が魅力だ。「これぐらいの作家ならゴロゴロいる」という人も少なくないかもしれないが、漫画的でもなく、ただ綺麗に見せるためだけに線を減らして書いてる訳でもない沙村氏の絵は、所々、芸術的でさえある。
とにかく、「日本の田舎って、なんか美しいね」って思わせてくれる、漫画家はそうはいないよ。まあ、最近は医学漫画になっちゃってるけどね・・・。手を斬り落としてあっちにつけたり、足を斬り落としちゃあこっちの人につけたり。うーん、グロテスク。敵の敵が、敵になっちゃってるし・・・。どんな漫画にしたかったのだろうか?