所帯持ち包囲網

すっかり仕事モードで、ちゃっかり飲みに行ってしまった…。翌朝10時だってのに、酒抜けてねえな、どういうことさ?ホントは飲んでる場合じゃないんだけど、友人の夏休み最終日っていうのと、半年前の結婚式以来、そいつの嫁さんに会っていない、ってことで飲んで泊めてもらった。
25過ぎてからは、チラホラ既婚者が出始めたものの、数年立ったらもう独身者の方が少なくなってやがる…。社会って恐ろしい。だいたい、新婚の友達の嫁さんってのは、「良い人いないのぉ〜?実は、もう婚約してたりして」なんてことを、刹那的に切り出してくる。
まあ、「ハラスメントだ!」なんて怒る必要もないけど、「良い人なら星の数ほどいるんだけどね。ただ、誰も僕の胸に飛び込んでくれないだけさっ。ふっ」なんて切り返せるほど若くもない。こういった場合、むしろダメダメな生き方が功を奏すわけで、「収入あるって言っても、ぶちゃっけ無職なんで」などと答えると、笑いを誘えるか、本気で気の毒がられる。気の毒がられるのは、さすがに辛いけどさ…。
そいつの家で、一晩過ごしたりすると、「なんで、あの時、俺は結婚しなかったんだろう?」なんて軽く落ち込んだりもするけど、そういうノリじゃなかったんだから、しょうがない。もちろん、そういうノリじゃなかった自分を、「死ねばいいのに!」と心の中で罵っているけどね。
ただ、翌朝、すっぴんの奥さんと友人が、つまらない言い争いなんてしていると、独身であることに若干の優越感を感じるわけで…。まったく、一喜一憂馬鹿丸出しだよ、僕は。そりゃあ、「早く私たちみたいに、良い人が見つかるといいのにね〜」「そうだね〜」なんてベタベタな、のろけトークを聞かされりゃ随分と羨ましくなるけどさ。晩御飯の、しかもその一品が「嫌いって言ったじゃん!」だ「じゃあ、二度と料理作らない!」だ、って喧嘩を2・3日繰り広げて怒鳴り合う姿を目にすると、なんだかねえ…。つまらないよ。