青年誌だが、少女漫画

来週も大阪かなあ…。あー、やべえ。変更点がたっぷりあるアルヨ。ウチにも、ダウンロードの速度を早めるソフトを組み込む、『パソコン破壊』男が現れないかな。『電子計算機損壊等業務妨害』とかで、逮捕してもらって納期を先延ばしにしよう。その上、ダウンロードまで早くなって、願ったり叶ったりですよ。

天才 柳沢教授の生活(1) (モーニング KC)

天才 柳沢教授の生活(1) (モーニング KC)

この『天才柳沢教授の生活』は、以前『モーニング』で連載されていて、ドラマ化もされたマンガである。現在も、『不思議な少年』を不定期連載しているが、作者『山下和美』の作風は、ほぼ少女漫画と言えるモノだと思う。
僕らの子供の頃は、廃品回収などに出された『りぼん』やら『マーガレット』やらの少女漫画雑誌の表紙に目を合わせただけで、「うわー、変態だ!」「オカマだ!」などと罵られたものだ。アレ、田舎なだけ???まあ、どれも目がキラキラ光ってるし、「先輩LOVE!」「僕も大好きさハニー」ってお話ばかりだったろうから、苦手っていうか、怖かった。
それでも、妹がどっさり少女漫画を積んで読んでたりしたので、たまにパラパラ盗み見たものだった。もちろん、大半が見られたもんじゃないけどさ。男だからね。『動物のお医者さん』とかは、恋愛話なしで構成も優れていたから、たぶん全巻読みました。ただ、読んだ少女漫画の大半に感じるのは、時制と場所の特定への混乱である。女性ならば、ついていけると思うのだが、男性なので頻発する心理描写シーンが終了する瞬間に、場所も時間も変わっていると、わけがわからなくなる…。もちろん、少年漫画にもそういう描写はあるけど、あまりに移動や時間の変化が早くて、すぐに追えなくなる。別に男性向けに描いてる部分なんてないだろうから、それでいいんだろうけどね。
ただ、動物や子供を失った描写に関しては、少女漫画家の方が断然優れている場合が多い。心理描写だらけだから、そこら辺が突出している作家さんなんかが出て来て当然、っていえば当然かもしれないが、やっぱり女性って面から描けるからだろうね。基本的に殺したり傷つけたりすることが主体の少年漫画では、喪失感に対する激しい苦悩や、そこに至るまでの凄まじい不安は書けないからね。結果、奪いに掛かる方わけだし。
その喪失感云々とは異なるが、『山下和美』のマンガは、少女漫画の強みが、かなり活かされている。1つの物語に対する時間や場所の感覚は、やはりメチャクチャに思えるが、むしろそれがマンガの面白さを高めているのだろう。ちょっとした見落としがちな視点(特に男性サイドではね)から、感動的なオチへと持っていく手法が、なかなか優れてる。テレポート的な移動が頻発する場面であっても、心理描写を中心としてうまく構成していれば、むしろ転換がスムーズに行くようにさえ感じられる。苛烈な勢いで泣かせようとする男性誌とは違う感動のさせ方も、「上手いな」と感じさせられる部分です。
でも、大半の少女漫画は、天才が登場しすぎだね…。しかも、主人公以外パーフェクト超人やら超一芸の持ち主やらで固めすぎ。で、劣等感に苛やまされる中、NO.1パーフェクト超人から「君が好きなんだ!」とか告白されるってわけだよ。場合によっては、NO.2とか不良っぽい裏NO.1まで「俺と付き合ってくれ!」って言うわけさ。ライバルの超美人万能キャラは、すっごい性格悪いのさ。でも、最後は親友なのさ…。
別にいいんだけどね…。でも、性別を問わず充分面白いマンガが書ける人は大勢いるだろうに、幅を狭めすぎだよね。まあ、男と女は別の生き物だって固持するのであらばしょうがないけど、世界に通じる大半の才能が、何処かへと消えてしまうのでしょうねえ。