鳥が嫌いなんだろう

 ロッテ優勝ですか。ボビー・オロゴンタイン監督もなかなか嬉しそうでしたな。もちろん、「もう少し、もつれとかないとヤバかったかな?」って本音はあると思うけどね。各スポーツ紙やスポーツコーナーは、目玉商品を早々に片付けなくてはならなくなって、「もうガムなんて噛まない!」なんて恨み言をこぼしているかも。なんにせよ、31年ぶりの日本一はおめでとうございます。

 この『ジーパーズ・クリーパーズ』だが、製作総指揮をフランシス・フォード・コッポラが取っている。『ゴッドファーザー』監督が制作指揮したのにも拘わらず、日本で放映されたのは『ジーパーズ・クリーパーズ2』のみである。ちなみに邦題は『ヒューマン・キャッチャー』。『ドリームキャッチャー』とか『UFOキャッチャー』とか『バッティングピッチャー』とかにトラウマがある人は、まず観に行かない邦題だね。
 そんなセンスの欠片もない邦題をつけられてしまった『ヒューマン・キャッチャー&その−1』だが、ありふれたホラー映画と言われても仕方がないお話だった。なんかモンスターだか悪魔だかが、「23年ごとに23日間に渡って人々を貪り喰らう」とかいう趣味の悪いストーリー。ただ、無差別に喰らうわけじゃなくて、体の部位に最も適応する人間を狙って喰ってるとか何たらとか。って言っても、邪魔する奴は、ぶっ殺す。損傷した部分は、その辺の人間を喰らって治癒する。っていう、至って無差別的犯行のオンパレードだ。
 全体的に、ビックリさせようっていう演出は、あまり感じられなかった。残忍?無敵?ユーモラスな動き?って感じのホラー映画。『1』の終盤で姉弟愛と自己犠牲の精神を見せ付けておいて、強烈なラストシーンで物凄く嫌な気持ちにしてくれる演出は、見事って言えば見事と言えるでしょう。フツーは、あれはないけどね。趣味悪すぎ…。
 ただ、鳥のような悪魔の動きに対する演出は、かなり斬新だったかと。『2』では、闇夜から突然降り立って来て、人が瞬時に消え去って行くシーンがある。それは、【恐怖】というより、むしろ【唖然】とさせる演出だったような。また、巣に持ち帰った鳥の殺し方は残忍すぎるから、その部分は敢えて作っていないようにも思えた。せいぜい、目玉をくり貫かれた子供の幽霊が、「あいつが来るよ」って指を差しているシーンしか入れていなかった。でも、ホント、鳥類の殺し方は恐ろしいよね。TVでやってた、はぐれた子ペンギンを襲う何ちゃらカラスの情け容赦ない攻撃は、即カットだったよ…。「ピーピー鳴いてるのに」、無差別攻撃じゃあ、見られたもんじゃないよね…。