やっぱビッグバンド

 若者の町『原宿』。何線で行けるかも良くわからないオシャレストリートへは、電車徒歩合わせても「40分かかんねーって。超余裕!」とかなんとか友人に言われたので、家でのんびり支度をしていた。親切にもマンションの近くまで車で迎えに来て、どこぞの駅まで送ってくれる、との事だったので安心しきっていた。
 「さっきっからクラクション鳴らしてるんっすけど?」なんて電話が掛かってきたが、周囲は車の行き交う音がするだけ…。慌ててバッグの中にCDやらチケットやらを詰めて、服着て靴履いてダッシュ開始。気分はすっかり、高橋モードだ。道中、着信履歴がかなりの勢いで増えていったが、電話は無視。渋谷に着いてやっと電話を取った。「お前何やってんだよ!!!」とかキレる友人。「はっ!?お前、さっきどこいたよ?っていうか殺すよ?」とか何とか言う言葉を、たぶん優しく返した僕。「えっ?東神奈川っしょ?」と、ボケた声。とりあえず、電話を切って原宿を目指した。ヤツは、今週中に説教するとしよう。
 という清々しい気分の中で、『OASIS』ライブ行ってきました!代々木体育館、人多すぎ。ビッグバンドは違うね。ピコ氏は今月静岡なので、モデム破壊でネット断絶中のAlexさん(id:Alex712)にチケットの用意までしてもらって、一緒に生オアシスを体験した。
 連日のライブで喉を枯らし気味のリアム・ギャラガーは、ドランクなのかラリパッパなのか、あっちでフラフラこっちでユラユラしていた。他のメンバーも観客を煽ってテンションを上げてやろうなどというサービス精神を見せる事はほとんどせず、楽器に夢中というか流れ作業っていうか、そんな感じに思えた。何より、ノエル・ギャラガーが歌い過ぎのような…。曲数から考えると、比率が高めじゃなかった?
 それでも、やっぱり『OASIS』は格が違うのか、観客の一体感が違うね。狭苦しい席に加えて、2階席の最上段にあっても、激しい歓声と共に歌う姿は、『OASIS』の実力を反映しているんでしょうね。多々、バカっぷりで世の中を騒がせていたリアムに心酔し、けだるそうに歌う酔っ払いに7000円を払っても、微塵の後悔も見られない。スゲーな『OASIS』…。
 別に楽器が凄まじく上手いとか、歌が桁外れだとか僕は感じないんだけど、『OASIS』が作り出す音楽が突きつけて来る世界観は、数あるミュージシャンの中でも最高峰だと感じますよ。その音楽の中で良い感じになっている時、右から放たれる「あにき〜フォー!」とか「凄ぉ〜いリアム、フゥー!」などの声は、何もかも台無しに…。右にいたアニメ声のレイザーラモン・小娘が、常軌を逸した喧しさを輝き放っていた。彼女の「フォー!」は、発声時に両手を上げるので、まさにレイザーラモン…。オレの視界も奪う始末。左半身にすると、何か眩しい…。ゾンビチックに踊るメガネリーマンがライトを反射させて、辺りにメガネビームを飛ばしまくっていた。
 やっぱり、今日はツいてなかったんだろうね…。よりによって、「12月〜1月並の寒さ」なんて言われてたしね。まっ、『OASIS』自体には満足ですよ。そして、家に帰って余韻に浸ろうとしたら、アルバム1枚しか手元にないでやんの。ホント、アルバムとかゲームとかって、必要なときには誰かの手に渡っているよね?たまに、間違って売られたりしててさ。「お詫びに飲みをおごるよ」なんて言われて飲みに行くけど、ぜんぜん元が取れねーでやんの。ははは、もうお笑い種だよ、まったくどいつもこいつも…。