やっぱメガネ掛けてる奴は、冷静じゃなきゃ

 ようやく風邪が治ったら、集中力がなくなった…。なんか、ダルイよね。人生そのものに嫌気が差しがちだよ。TVをつけて日テレにCHを合わせると、『ハリー・ポッター』がどうだの秘密の部屋がどうたらこうたら。TBSで、この前放送されたヤツが21.3%を取ったらしいから必死なんだろうけど、なんか浅ましかった。「世界で大ヒットをした」などの名文句を連発してたから、その実力が気になって見ちまいましたよ…。
 なんっていうか、想像以上にアレだった…。『ハリー・ポッター』は、ファンタジーの基本設定からしてちゃんとしてないだけに、オリジナル要素を随所に入れて行っているつもりなんだろうが、陳腐だ。既出だ。劣化コラボレートだ…。自分が子供だったとしても、この映画の続編は見ないだろう。「女流作家なんだから、主人公を女子にした方が、まだマシだったんじゃないだろうか?」と感じるほど、ハリーは全然ダメダメな少年だったように思える。
 気弱な癖に好奇心が強く、魔法界では優れた『血統』を有し、現実世界では『血統』故に疎まれ冷遇されている。おかげで底抜けに優しいのだが、反発する精神を持っていないので、怒りから、もしくは劣等感から努力をしたりすることがない。かなりの必要に迫られなければ行動を起こさない為、何かに巻き込まれ、好奇心に突き動かされて深淵へと進むが、行き当たりばったりなので、人とか車とか鳥とかに助けてもらう事になる。というより、全部助けてもらわなかったら、逝ってたような気がする…。
 当初の想像とは違い、ハリーは驚くほど魔法を使わない。というか、魔法を憶えていない…。一方、エマ・ワトソンが演じるヒロインは、使いまくり。助けまくり。優しいハリーは、「すごい!」ってひたすらうれしそうだ。「だが、最後には、その片鱗を見せてくれるに違いない!」なんて我慢して見てたけど、ラストでハリーが使ったのは、なんと…。しかも、散々、鳥が敵を痛めつけた後に。ついでに、散々、逃げ回った後にだ。ハリーよ。君には、ガッカリだよ…。
 『ネバーエンディングストーリー』みたいなオリジナル要素も薄けりゃ、現実と仮想世界の差異も薄い。で、どんどん続編を書き続けるみたいだから、彼らの成長も遅々としたものなのだろう。ちょっとした、『男はつらいよ』的な見方を迫られているのかもね。お正月映画っつーか、冬休み映画?ちょっと前までは、こういう小説とか映画とか見る大人って、オタク呼ばわりされてたんじゃなかったっけ?古いアニメみたいな展開で、ファンタジーなのにね。
 ま、今回の続編も大当たり間違いなしの模様ですね。子供と観に行く分はわかりますよ。一緒に楽しむのもアリでしょう。『秘密の部屋』で最も印象に残ったセリフはアレですね。ヒロインが発した「選手はお金で選ばれるんじゃないわ!才能よっ!!!」っていう、結局、差別発言だろ?ってヤツです。