教育的に良くなくなくは、なくない?

 長時間画面を見続けた翌日に、目がシバシバするのって、老い、なのかな?昔は、そんな事なかったんだよなあ…。徹夜で勉強するつもりで、漫画を読み漁って、さらに翌日は徹夜で勉強するつもりで、ゲームをクリアしてたりしたけど、画面を見るのに痛みを感じたりはしなかったね。朝起きて、目が真っ赤ってこともなかったしさ。老いか…。マイケル・J・フォックスと同様に、老人病じゃない事を祈ろう。
 そういや、映画とかで泣かされた後も、目が真っ赤なんて事も少なくなくなった。心が老いると、涙もろくなるのだろうか?そして、この冬、泣かしに掛かっている『あらしのよるに』が微妙なヒットを記録しそうで、僕は勝手に懸念している。
 動物モノの映画は、基本的に嫌いだ。理由は、ズルイから。動物の愛くるしい動きと、取って付けられた悲しいバックボーン。それと感情豊かな音楽。もう、見る側に依存しっぱなしの2時間弱だ。動物好きは無条件で感動したり涙にくれ、動物嫌いはテンポの悪さや狡猾な編集に退屈する。その中間層は、テンポと編集次第か?逆に、どんなにストーリーが良くても、主演の動物が嫌いだったら楽しめないよね?僕は、ヘビだったらキレて、犬だったら泣くね。犬だったら、ストーリーなんて、ほぼ関係ないね。パトラッシュとネロさえいれば、即KOだろうさ。
 だけど、動物モノのアニメ映画なんてのは、大嫌いです。特に、2本足で歩き、人間だけ対象外とされる共通語を話すバケモノ動物は、嫌いと言うより、無条件でキモイです。その中で、肉食動物と草食動物が仲良く暮らしていたりしたら、軽くキレそうになります。「ファンタジーだから」って言われても、「対象を、園児か小学生低学年までにしとけよ!」って返したくなりますよね???それなら、○暴と暴力団と公安とテロリストとヤンキーと保育士なんかが仲良く暮らす、ハートフルファンタジーアニメでも作って頂いて、「楽しんでみたまえよ?」と言いたくなりますぜ…。
 膨大な資金とエンターテインメント主義を背景に、アメリカ映画の方が邦画と比べて、面白い作品は多いし、受け入れられ易い。でも、ヘンテコで歪みまくった『ディズニー主義』的な世界観が、21世紀にも、のさばっている事が、僕は不快です。「肉食動物は草食動物を食べるから残酷 = 悪」「草食動物は他の動物を食べない、可愛い = 正義」的な構図は、元を正せば宗教やら人間の肉食時に対する罪悪感なども起因しているのかもしれないが、極めて幼稚だ。
 まあ、生態系と食物連鎖を生涯学ばない、って言うんなら話はわかるんだけどね…。狼なんかは、「森の生態系をコントロールしてる」なんてよく言われるのにさ。「肉食じゃなきゃ、可愛いんじゃない?」とでも言いたいのか、『シャークテイル』に至っては、『ベジタリアンのサメ』なんてのが出てくるんだよね?やられてるよね?脳内の、いろんな回路が。「ユニークな魚たち」なんて言葉で、済ませちゃってます…。
 もちろん、肉食動物=怖い、っていうのは良くわかるんだけどさ。肉食動物=悪い、って扱いは、そのアイデンティティーを否定しているようなもんじゃないかな?絵本で収まっていれば何の問題もないと思えるけど、『あらしのよるに』を映画化した上に、『人間社会に当てはめられなくもなく』みたいな記事やら、「幅広い世代に楽しんでもらいたい」なんてコメントは、歪んでませんかTBSさん?220万部売れた絵本だから、映画化しようなんて、安直過ぎでしょう。
 こういう映画には、PTAとかは何にも言わないんだよね。「後々の生物学の教育や、科学に対して拒絶反応を抱く恐れがる」なんて糾弾してくれないんでしょうよ。『カップヌードル』のライオンとシマウマが抱き合うCMも、素通りみたいですらね。
 いや、アレはアレか!?周りの動物の涙ってのは、草食動物の捕食をやめて餓死していくライオンに対しての、憐憫の涙か!それとも、シマウマの捕食をやめることによって、自分が狙われる可能性が増えた事への、恐慌の涙か!そうか、そうか。頑張れ〜、マサイの人!!!